親戚に今年30歳になる青年がいます。
彼は外国のいわゆる一流大学を卒業しています。
彼はその大学を出てから、日本に帰国して就職活動をしているのですが、残念なことにまだ落ち着いた就職先を見つけることができないでいます。
もちろん大学を出た20代の前半の時から、色々な職場で働いてきてはいるのです。
でも、その職場が気に入らないせいか、すぐに止めてしまうそうです。
そして次の職場が見つかるまで、アルバイトでつないだりしているうちに30歳近くになってしまったのです。
彼が帰国して就職活動している様子を暫く見ていました。
海外の一流大学を出ているので、それなりのプライドがありました。
そのせいか、エントリーするのは日本の一流企業と言われる企業ばかりなのです。
公務員試験も受けたことがあるようですが、そう簡単には合格しません。
一流の大企業というのは応募者も多いし、一次試験のペーパーテストで約半分は落としてしまうそうです。
二次、三次と選抜するうちに、四分の一、八分の一と切ってゆき、最終的に採用するのはごく少数ということになります。
噂によれば、表向きは誰でもエントリーできても、最初から指定校制度で選抜していることもあるようです。
こうした事情をあの青年は知らなかったと思います。
彼は自分が海外の一流大学を出ているというだけで、いわゆる一流企業に入れると思ったのではないでしょうか。
もちろん最近、特に日本の大学では、学生の就職活動に対するサポートや指導を徹底する大学が増えました。
聞く所によれば企業のエントリーシートの書き方まで教えるそうです。
しかし、現在のように約半数が大学に進学する時代には、形式的な指導だけでなく、企業側の意向など、もっと詳しい情報も就職する側に伝える必要があるのではないでしょうか。
そうでなければ、一生の問題である就職活動において、その人にとって必要な別の可能性まで奪ってしまう恐れがあると思うのです。
最終更新日 2025年7月7日 by goncat