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募金をする団体はどのように選べばよいのか

少しでも世の中の役に立ちたいという理由で、募金を考えている人も多いことでしょう。

しかし募金ができる団体は数多くあり、NGOやNPOなどがたくさんあって、どうやって良い団体を選べばよいのかわからない、団体同士でどのような違いがあるのかわからないと嘆いている人は多いかもしれません。

 

⒈団体として信頼できるかどうか

募金をする際の団体選びとして、まず第一に考えたいことは、日本ユニセフや赤十字などのように団体として信頼できるかどうかが挙げられます。

自分が寄付したお金を、不正などすることなくしっかりと社会に役立たせるために大切に使ってくれるかどうかが、信頼性といえるでしょう。

あまり考えたくないことですが、これまでにも団体の飲み食いなどに使われてしまったり、代表者にすべて持っていかれてしまったなどのトラブルも起こっています。

このような場合に圧倒的大多数の非営利団体であれば、しっかりと会計管理が行われていて、活動のためにお金が公正に使われているはずでしょう。

このようなトラブルが出てくるのはわずかな一例ですが、せっかく自分がお金を寄付するのであれば、日本ユニセフや赤十字などより信頼できる団体を選びたいところです。

参考>>日本ユニセフ募金

 

⒉団体の信頼性を確かめるためのポイント

団体の信頼性を確かめるためのポイントとしては、財務情報が公開されているか、スタッフの顔が見えるようになっているのか、法人格はどうなっているのか、共働先の企業や団体はどこなのか、活動報告が定期的になされているかどうかの五つのポイントが挙げられます。

法人格について考えると、たとえ非営利団体であったとしても、一般社団法人や公益財団法人、認定NPO法人など様々な法人格に分かれます。

NPOとあるから大丈夫だろうと思っても、法人登記をすることなく任意団体であるならば、誰もが名乗ることができてしまうのです。

法人登記をしていたとしても、一般的なNPO法人であれば認証制度がなされているので、提出した書類に不備がなければ簡単に設立ができてしまいます。

しかし認定NPO法人となるとまた話は変わってきます。

 申請に当たり年間100人以上の人から3000円以上の寄付を受け付けていることが条件となり、そのほかにも経理財務や情報管理などの体制の整備が必須 となります。

自治体から適正な法人運営がなされているのかをチェックされて、5年ごとに更新がなされ、十分にこれらが行われていなければ更新されることはありません。

このようなことから認定NPO法人を選べば、限りなくはずれを引く可能性は下げることができます。

 

⒊活動の効果がしっかりと出ているか

ポイントの一つに挙げられることは、活動の効果がしっかりと出ているかということです。

たとえば自分が1万円を募金したいと考えるのであれば、まずはどのように使われるのかをチェックすることが大切です。

具体例をあげると、アフリカの子供の支援において、教育や医療、食料など様々な活動をしている団体も見られるでしょう。

1000ドルの援助で子供たちの就学年数をのばすと書かれていたとしても、それらが目に見えてプラスの影響があるかどうかを考えなくてはなりません。

自分がお金を出すのであれば、本当に効果的に役立ててほしいとだれもが思うものです。

50ドルの寄付でひと家庭に5冊の育児ガイドブックを配布できると明記されていたとしても、それがうなずける効果とは言えないでしょう。

そのガイドブックを配布することで本当に学業成績は向上するのか、家族の生活が豊かになるのかなどの問題が指摘されます。

もしも何の向上も見られないのであれば、その寄付は完全に無駄になってしまうということになります。

大切なことは使い道が最終的にどのような役に立っているのかを明らかにしていることと言えます。

明確に可視化できているNGOやNPOなどはまだまだ多くないかもしれませんが、ホームページなどをチェックして、どのような使い方がなされているのかを確認することは大切です。

 

⒋自分の価値観とあっているかどうか

最後のチェックポイントは自分の価値観とあっているかどうかということです。

寄付を行う団体の活動目的が、自分の考えや思いと一致するかどうかが重要です。

お金が世の中の役に立っているのかだけを考えるのであれば、信頼性や効果だけを考えればよいでしょう。

しかし募金をすることで行った人の心を豊かにすることが一つの魅力といえます。

他人のためにお金を使うことによって幸せな気分になる、幸福度がアップするなどの傾向が、これまでの実験から出てきています。

このような心地よい気分を感じるうえで欠かすことができないのが、その団体に対し心から共感できるかということです。

自分が大事にしている価値観やキーワードはどのようなことなのか、子供のころや家族の心に残っている話や体験はあるのか、人生でつらいと感じた時に支援してもらったことはないのかなど、これまでの自分の過去を振り返るのも一つの方法と言えます。

このようにさまざまなチェックポイントがあるので、自分にぴったりの募金先を見つけるためにもしっかりと考えてみましょう。

ユニセフは世界中の子供を守ります

貧困

▶️ユニセフの活動について

ユニセフはUNICEF(国連児童基金)のことで、すべての子供の命や権利を守るために支援の届きにくい子供たちを優先的に190の国や地域で活動している団体です。

保健や栄養、水と衛生や教育、暴力や搾取などからの保護などのさまざまな支援活動を実施しており、活動資金は個人や企業、団体や各国政府などからの募金や任意の拠出金で運営されています。

最も支援の届きにくい子供を最優先に活動を行っていて、世界のすべての子供の命を守り健やかな成長をサポートを目指している団体です。

世界では5歳の誕生日を迎える前に亡くなる子供は年間560万人います。
原因の多くは安全な水やワクチンなどがあると、防ぐことが可能です。

すべての子供が乳幼児期に適切なケアを受けたり、守られたり良い人生のスタートができるように予防接種の普及や安全な水、衛生的環境の確保や母乳育児の推進などの総合的なサポートを行っています。

世界中ではエイズ治療のケアや感染予防などに関する研究や取り組みが進む中、2015年国連で採択された持続可能な開発目標において、2030年にはエイズや結核・マラリアなどの流行をゼロにするという目標があげられました。

国際的なエイズの取り組みが進む中、青少年に対しての感染予防や治療提供などの取り組みはやや遅れていて、感染者の年齢別グループにおいてエイズでの関連死の死者数が少なくなっていない唯一のグループです。

▶️エイズのない世代の実現を目指すユニセフ

ユニセフが目指しているのはエイズのない世代の実現で、実現のためすべての子供をエイズの脅威から守るよう世界各地において取り組んでいます。

子供たちが生きていくにおいて水と衛生は大事な問題です。
水が汚れていたり不衛生な環境はさまざまな感染症を引き起こし、中には下痢などで命をなくすことも少なくないです。

多くの子供たちに清潔な水を届けることができるよう給水設備を作ったり、トイレを設置し学校教育や保健所などを通じて正しい手洗いなどを広めています。

子供たちが安全な衛生施設を利用することで生活の向上はもちろん、健やかに成長したり教育を受けたり明るい未来を持つ機会を得ることが可能です。
毎年数百万人の子供が急性栄養不良によって、命が危険にさらされています。

栄養不良は健康に育つためバランスの良い栄養を摂取していない状態のことで、発育阻害や消耗症、低体重や過体重などがあります。
栄養不良の子供の中には複数の形態を持つケースもあり、栄養不良は人的や経済的にとって大きな代償を伴うものです。

栄養不良の子供は健康的に育つことができず病気になりやすく、病気が治りにくいなどの原因にもなります。
知能や身体上の発達の遅れなど、その後も子供の人生を脅かすでしょう。

▶️質の高い教育が貧困脱出に欠かせない要素になる

栄養分野の投資は重要な優先事項として見なされています。
教育は基本的な人権で、質の高い教育は社会全体の発展に繋がり豊かな生活のために不可欠です。

すべての子供に質の高い教育を提供し、ジェンダーの平等などあらゆる種類の差別や不公平の撤廃などに重点を置きます。
暴力や搾取・虐待などから子供を守ることは生存や成長・発達の権利などを実現するため不可欠です。

世界中で推定3億人の子供が暴力や搾取・虐待などにさらされているのが現状です。
コミュニティや学校、他の機関や紛争時での児童労働などの害のある習慣も含まれています。

たくさんの子供が直接的に被害を受けなくても、十分に守られているような状況ではありません。
インクルージョン、つまりすべての人が受け入れられる社会はユニセフが提言していることで、社会へのインクルージョンをいろいろな形で推進しています。

民族やジェンダー、障がいやその他のさまざまな要因で起こる差別に対処することはもちろん、構造的な差別をなくすよう取り組んでいます。
施設機能を改善したり子供の問題に資源などを配分できるため、ユニセフはいろいろな省庁や統計局、議会や国内人権団体、地域当局や民間部門などと協力している団体です。

▶️ユニセフは子供の命と権利を守るため活動を続けている

教育でのインクルージョンにおいて、障がいの有無に関係なく子供を普通の学級で受け入れるよう推進するため、垣根のないイノベーティブな方法を取り入れています。

ユニセフは創設してからどのような厳しい状況においても、子供の命と権利を守るため活動を続けており、世界中からの活動資金をもとに保健や栄養、子供の保護や教育などの各分野におけるサポート活動を実施することが可能です。

支援物資はコペンハーゲンにある物資供給センターなどの各地供給箇所からニーズに合わせて、スピーディに届けられるシステムを構築しています。
一刻を争うような緊急事態において、重要な役割を果たすことが可能です。

基本的人権の原則としてジェンダーの平等を考えており、ジェンダーにおける平等を推進しています。
支援プログラムを通じて女性と女の子がコミュニティにおける政治的や社会的、経済的な発展などに参加できるようサポートすることが可能です。

教育分野において女の子や男の子に関係なく、すべての子供が教育の機会が得られるよう取り組んでいます。

引用元:日本ユニセフ協会への寄付|クレジットカードの三井住友カード株式会社

子供が苦しむ相対的貧困の問題点

相対的貧困について

相対的貧困という言葉で先進国の貧困問題が語られますが、これは衣食住をなんとかするだけで精いっぱいでありちょっとした旅行すら許されないような現状を表します。

貧困ラインと呼ばれるものが設定されており、200万円をある程度下回る額が対象です。

この金額で都市部で暮らすとかなり厳しく、親が1人子供が1人といういわゆるひとり親世帯ではその半数が貧困ラインを下回る厳しい状況です。

特にシングルマザーの世帯では顕著にその傾向が出ており、働いているのにそのラインを上回らない世帯は6割にも及ぶとされ大きな社会問題にしなければならない話です。

ただ社会問題だと認識されていてもなかなか改善されない事情には、国民的な議論にそこまでならないことがあります。

それは貧困のイメージがあまりに過酷なものを連想しているからです。

最近ではお金がなくてもスマートフォンを持て、安い衣類の中にはちゃんとしたデザインのものもあります。

工夫すればそこまでお金をかけずにしっかりしたものを食べられるなど、戦後間もない時の状況や高度経済成長時の農村部のイメージで考えている人にとっては今の状況はなかなかピンと来ないのが実情であり大きな問題点でもあります。

深刻な問題とは?

何より深刻なのは生活保護をもらうのも一生懸命働くのも大して変わらないレベルであることや、それを是正するために生活保護の支給額を減らすといったことを検討しそれをやむを得ないことと世間が感じていることです。

それらのことはセーフティネットの範囲を狭めるだけに限らず、より深刻化させることを意味します。

シングルマザーを支援していくことが重要であり、子供たちの環境を整えていくことが本来の支援策です。

引用:日本ユニセフ協会活動内容

それとは逆ベクトルに行き、しかもそれに異論があまり出ない状況こそが今の日本の問題点と指摘されても仕方ありません。

こうした中で近年取り組みが進んでいるのは、日本ユニセフ協会などのように子供のいる世帯に食品を届けていくことです。

自治体がふるさと納税を利用して食品を確保してそれを配っていくことで、ネットワークを構築していくというものです。

ある種のセーフティネットであり、ふるさと納税の新たな選択肢になる可能性があります。

この場合には返礼品はなく、子供たちの成長と社会の変化がその見返りとされています。

現金給付という形ではなく、食品などの現物給付であれば抵抗感もありません。

セーフティネットに求められる中身もまた大きく変わる時代を迎えています。