■少しの体調不良でも受診しやすく相談できる
病気を早期発見し適切な治療を受けるためにはかかりつけ医の存在が欠かせません。
かかりつけ医とは少し体調に異変を感じた時に気軽に相談に行ける医師のことで、大学病院のような大規模な病気ではなく地域のクリニックや診療所にいます。
日本医師会でもかかりつけ医を見つけることを推奨しており、地域貢献まで見据えた活動を行っています。
かかりつけ医は高齢化社会が深刻化してさらに重要性が叫ばれるようになりました。
高齢者が増えると医療費が大幅に増え、医療機関では効率化が求められます。
大きな病院にたくさんの患者が訪れると医療従事者が不足し人件費がアップします。
そこで最初は地域のクリニックで診察を受けてもらい、そこで治療できない場合のみ大きな病院で受け入れる体制を整えようと考えました。
かかりつけ医から紹介状を書いてもらい、治療を受けて病状が落ち着いたら再びかかりつけ医が健康状態を維持できているかを確認していくという流れです。患者と大きな病院をつなぐ役割を持ち、将来的な在宅医療など高齢化社会と密接に関わっていくことになります。 ・引用元 医学部予備校としての「富士学院」
これらは国のあり方としてかかりつけ医が持つメリットですが、患者側にも良い点はたくさんあります。
まず病気に対する不安をすぐに解消できることです。
■患者の健康状態が把握しやすいというメリットがある
かかりつけ医は患者の最近の健康状態や体質、過去になった病気などを把握しているので、的確なアドバイスを提示できます。
医学の知識がない人にとっては、頭痛がするだけでも脳の疾患を疑ってしまうものです。
かかりつけ医は総合的な知識を持ちつつ患者の体を本人以上に理解しているので、過度な不安に陥る前に不調の原因を教えて安心させてくれます。
大きな病院では担当医師が外来で不在の時は受付で長時間待たされ、ようやく名前を呼ばれた時には検査室へと誘導されなかなか医師と対面できません。
一番話を聞きたい人にたどり着くまでのプロセスが非常に長く、病院に行くのは疲れるという悪いイメージが定着します。
あまり健康に関心がない人は病院に行くのが面倒になって、不調に気付いても放置してしまう恐れがあります。
かかりつけ医がいれば毎回同じ担当医が診察をして必要以上の検査も行いません。
世間話をするついでに健康相談ができ、高齢者にとっては病院がコミュニケーションの場になります。
楽しい場所だからこそ定期的に訪れて病気のサインを見逃さず伝えることができます。
治療方法が向上している現代医療では、早期発見で発症前と同じクオリティの生活を送れる病気も増えてきました。
の治療で多くの時間を犠牲にしないためにも、かかりつけ医との連携が大切になっています。
さらに介護の側面からもメリットがあります。
若い頃は介護される側になるイメージを持てませんが、年をとると誰もが直面することで親の面倒を見ることになって困る人も多いです。
介護に関する不安もかかりつけ医で解消しましょう。現在、要介護認定を受けるためには主治医の意見書を提出する必要があります。
かかりつけ医がいない場合、市区町村が指定した医師を利用することになります。
しかし1回の診察で意見書を作成するため、正確な健康状態を認識してもらえない可能性があります。
調子の良い時と悪い時を知っているかかりつけ医の方が介護をどの程度必要としているかを分かっています。
要介護認定についてはお金が関わってくるので、自分や家族の健康状態を知る人がいなかったことで金銭的な負担が増えることが考えられます。
その他にもケアマネージャーなどの連携し、介護を必要とする人ができるだけ快適に過ごせる環境を提供します。
■信頼できるかかりつけ医を選びたい
かかりつけ医を見つける時は内科から選ぶのが一般的です。
内科はあらゆる病気に対応しており、特に年を重ねると出てくる高血圧や糖尿病などは内科に相談します。
医師によっては専門とする病気が異なるため、持病がある人はそれを優先に選びます。
既に降圧剤など定期的に薬を処方してもらっているならば、そこがかかりつけ医となります。
内科にも詳しくかかりつけ医に選んで欲しいと考える整形外科医もいて、膝を中心とした関節痛がひどい高齢者の中には整形外科医をかかりつけ医にすることもあります。
現代はインターネットによってもたらされる情報量が多く、住んでいる地域を検索すればかかりつけ医候補はたくさん出てきます。
クチコミから得られるイメージや得意分野などからさらに候補を絞り込むことができます。
ただしインターネットの情報だけで理解したつもりでいるのはおすすめしません。
かかりつけ医を選ぶ上で大切なのは相性だからです。
実際に診察を受けて雰囲気や話しやすさ、話の分かりやすさなどを体感します。
評判の良い病院でも自分にとっては居心地が悪く、診察時のアドバイスもあまり理解できないというケースはあります。
不信感を抱くと気軽に通えるというメリットが無くなってしまい病気が進行するリスクが高まるので、長期的に信頼関係を保てる病院を見つけましょう。
最終更新日 2025年7月7日 by goncat