目次
実業家の功績について
みなさんは実業家についてどんなイメージをお持ちですか?
苦労知らずのお金持ちのボンボン、時代の流れに上手く乗った運の良いやつ。
私たち小市民は嫉妬もあってそうした視線で世の経営者たちを見てしまいがちです。
たしかに実業家の中には生活するのに困らないだけの富を持ちながら脱税などの犯罪に手を染めたり、地位と資産を背景に力のない人間を苦しめる人もいます。
しかし金も権力も持たない人たちの代わりに先頭に立ち私たちが生きる世界をより良い場所へと変えているのも実業家なのです。
今回はそんな偉大な実業家たちの功績をみなさんに紹介したいと思います。
1.インターネット時代を切り開いた男「ビル・ゲイツ」
言わずと知れた現代を代表する億万長者。
しかしビルゲイツがお金持ちであることに異議を唱える人は稀でしょう。
地球上のあらゆる人間がコンピューター端末を所持し世界中の人々と繋がるネット社会を作り出した功績は計り知れません。
ビル・ゲイツがいなくてもいずれコンピューターは普及したでしょうがその歩みは今よりずっと遅かったはずです。
ビル・ゲイツは世界屈指の実業家であると同時に世界最大の慈善団体「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」の代表者でもあります。
仕事で得た莫大な富を惜しみなく人々に使う姿勢は後輩経営者たちの手本となりました。
特筆すべきはこの財団が夫妻の死後50年以内に資産を使い切ることを宣言している点です。
チャリティー活動に寄附をする金持ちは大勢いますがその大半は自身の名声欲を満たすために行っています。
しかしビル・ゲイツは「我々が取り組んでいる問題を今世紀中にめざましく進展させるため」に存続期間を限定しました。
彼は自身の名が長く語り継がれることよりも目の前にある貧困問題の迅速な解決を選んだのです。
2.ノーベル平和賞を受賞した経営者「ムハマド・ユヌス」
経済学者でもあるこのバングラデシュ人の名前を知らない人もいるかもしれません。
しかしグローバル資本主義の嵐が吹き荒れ格差の拡大が人心を荒廃させる現代においてムハマド・ユヌスの功績はビル・ゲイツに勝るとも劣りません。
ユヌスはバングラデシュのグラミン銀行の創設者です。
1983年に母国の貧困救済プロジェクトの指揮をとったユヌスは人々を貧困から救うにはまず足場となる資金の融資が必要だと考えました。
しかしどの銀行も満足に担保も持たない貧乏人に融資をしようとはしませんでした。
自身が保証人になっても融資を拒むユヌスは銀行が融資をしないなら自分たちで銀行を作って融資するしかないと考えました。
こうして誕生したのがグラミン銀行です。
グラミン銀行の特徴はマイクロクレジットにあります。
マイクロクレジットとは失業者や貧困状態にある一般の銀行か融資を受けられない人々を対象とした少額融資です。
当初マイクロクレジットは理想主義の絵空事だと考えられていました。
日々の暮らしにすら困っている人間に金を貸しても踏み倒されるに決まっているというわけです。
ですが識者の予想に反し絶望の中に差し伸べられた救いの手に感謝した貧困層の人々の多くは融資を元手に事業を行いしっかりと返済を行いました。
その結果グラミン銀行は貧困対策の新たな手本として注目されマクロクレジットは全世界へと普及しました。
ユヌスは人間は資本主義が考えるような一元的な存在ではなく多元的な存在で利益の最大化のみを目指しているわけではないと唱えています。
3.世界で最も革新的な企業の経営者「イーロン・マスク」
イーロン・マスクは世界最高の実業家と言われている人物です。
オンライン決裁システムのPayPal社を設立し巨万の富を築き、それを元手として宇宙事業や太陽光エネルギー事業にも進出。
民間人でありながら20年以内の火星有人旅行を目標としているのですからスケールが凡人とは違います。
彼が経営するテスラ・モーターズはフォーブスによる世界で最も革新的な企業ランキングで2年連続1位を記録しています。
この評価は極めて妥当といっていいでしょう。
何しろテスラ・モーターズは日本最大のコンビニチェーンであるセブンイレブンに匹敵する時価総額の巨大企業でありながら自社の根幹事業である電気自動車部門で最悪失敗してもいいと考えているのですから。
資本主義社会においてほぼ全ての株式会社は投資家の顔色を窺いながら自社の利益を最大化することを最優先に経営しています。
しかしイーロン・マスクは違います。
その視野はより広く数字ではなく世界にどう貢献したかを見ています。
先端技術を投入して作られたテスラ・モーターズの自動車は採算性が悪く毎期のように赤字を計上しています。
普通の感覚で言えばこれは明らかに失敗です。
ですがイーロン・マスクはそう考えません。
最悪の場合、たとえば挑戦の結果テスラモーターズが倒産してしまったとしても、自分たちがそれまで積み上げてきた技術で世界が電気自動車という新たなテクノロジーの恩恵を手に出来るならそれは十分に意味があることだと考えます。
凡人には無謀に思える挑戦ですが、イーロンなどこうした挑戦者のおかげで私たちの世界は日々進歩しているのです。
最終更新日 2025年7月7日 by goncat